墨荘堂ブログ

西洋医学全般のセカンドオピニオンとして立脚する「和方鍼灸」を追求する関墨荘堂鍼灸治療院のブログです。
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和法鍼灸 関 墨荘堂
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手術不要となった蓄膿症の鍼灸治療(細絡刺絡)
ずいぶん以前、病院に勤めていた頃の症例ですが、重度の蓄膿症の患者さんの話です。

頭痛・頭重・鼻づまり・副鼻腔付近の鈍痛がひどく一向に改善しないので、手術することになったのですが、手術の全日に症状がひどくなり、痛みで顔もあげられない状態で来院されました。

鎮痛剤でも打ってということだったと記憶していますが、鍼でもしてみろということになり、顔を見せて頂くと頬部に非常に良い細絡があったため、やってみることにしました。

細絡とは内部の循環が悪いところで、体表面に現れる静脈のバイパスのようなもので、小さい点のようなものから細いスジのようなものまでいろいろあります。この細絡を対象にする刺絡は日本独自のもので中国でもやっていませんし、最近の刺絡治療をうたっている人たちも伝統医学をベースにしていない方々は対象にしません。

頬部は内部に海綿静脈洞や翼突筋静脈叢などがあり、目や鼻の疾患にはよく細絡が現れるところです。そこで頬部あった細絡を三稜鍼で刺すと、待ってましたとばかりに出血し、ガーゼ2枚分くらい出てようやく止血しました。(細絡刺絡は表面の微細な血管を対象にするので、ほとんど傷は残りません)

終わると頭痛・頭重・鼻づまりはすっかりとれて顔も上げられるようになり、ありがとうございましたと帰宅されました。

その後別の用件で来院されたおり、手術はどうでしたと尋ねたところ、「あの後すっかり症状が無くなってしまい、手術はキャンセルしました。その後も鼻の症状はありません。」とのことでした。

江戸時代の刺絡家である三輪東朔の臨床を記録した『刺絡聞見録』には「実に奇なり妙なるは刺絡の術なり。自ら施し自ら驚き神の如とす」という一文がありますが、まさにそれを実体験した症例でした。
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