経絡は気の流れているルートと言ってしまうと簡略化しすぎているのではないかと最近思うようになりました。
実際の経絡は実体はないけれども、もっと有機的な器官のようなイメージでも良いかもしれません。ですから経絡の機能を治療に有効に使うためには井穴の機能を考えた方が良いのではと思うようになりました。
以下に残しておくことは答えでも方法でもなく、単なる妄想なのでご理解ください。出来ればそこから効率的で再現性のある方法を見つけ出していただければ幸いです。
まず、陰経の経絡と陽経の経絡は井穴の五行配当が違っています。また経絡の配当は五行それぞれあるのに井穴は陰経木、陽経金のみです。これはなぜでしょう?
答えはこの質問をした『難経』自身が
「是、剛柔の事なり」と答えています。これで解ってしまえば苦労はしないのですが『難経』の作者は解ると思ったらしいです。
さすがに昔の人もこれでは解らず、いろいろな解釈本が出されています。これら諸本の注に
「剛柔配合の妙有り、夫婦は即ち剛柔配合なり」という文言があり、これでもっとシンプルに考えるようになりました。
つまり陰経は収縮・緩慢等の性質を持っているので、その経絡が始まる井穴には木の成長・発育の機能を当てはめて全体のバランスをとる。陽経は逆に膨張・活発の性質を持っているので、金の冷徹・堅固の機能で抑制すると考えたのではないでしょうか?
五行嫌い派の人に言わせれば、その配当だってこじつけで、本当に井穴にそんな違いが有るのと言われそうなので、妄想の続きは次回に。