墨荘堂ブログ

西洋医学全般のセカンドオピニオンとして立脚する「和方鍼灸」を追求する関墨荘堂鍼灸治療院のブログです。
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和法鍼灸 関 墨荘堂
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漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その10
なんと2年も更新していませんでしたが、漢方薬と鍼灸による治療は続いております。症状は体調が良い時は腹痛は無く、泥状の便が4〜5回で、体調が悪くなると腹痛し、水状の便が5〜6回もしくはそれ以上と言う感じです。

仕事は相変わらずハードで、帰宅は11時過ぎ、翌朝は通常(9時)出社という状況です。これだけですと気分も暗くなりますが、良い情報もあります。

まず、ここ1〜2年はペンタサやレミケード、エレンタール、抗生物質、下痢止めなどほとんど飲んでいません。つまり薬なしの状態ですが、手術をするわけでもなく腸はそのままです。ただ病院に行っていないため、CRPなどの数値はわかりません。

食事はうどん・そばが主体で、クローン病食の調理したものを食べている状況ですが、体重は52kgでむしろ初診時より増えています。
お腹や腰は以前の様な堅さは無く、柔らかい事が多いです。

腸閉塞や穿孔、瘻孔に対してどのくらいの期間や割合で手術が行われるのかは調べていませんが、この3年間ではレミケードを飲んでいるにもかかわらず、手術を繰り返して短腸症候群に陥って行くこともありません。

何よりも治療のために離職していく人もいる中、仕事を辞めずに続けて行けるということは、この病気の人にとっては大事な気がします。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その9
また久しぶりの更新です。今回も色々ありましたので、短期で更新するよりある程度まとまってからの方が良いと思い、なかなか更新出来ませんでした。

前回は検査でCRPは再び0.8になってしばらくは良かったのですが、油断して食事を普通に戻したり、仕事が忙しくなると、外食も多くなり、疲れて帰るので、お灸をしなくなってしまったり、漢方薬を飲めなくなってしまったことがあると、てきめんに具合が悪くなるようでした。

月ごとの変化をまとめてみます。

3月:比較的調子良い
4月:葬儀があり実家に戻る。戻ってから残業が続いている。月末頃からアトピーが肘、胸などに出る。
5月:下痢は日に3〜4回、腹痛なし
6月:下痢が日に1回の時もあった。体重52〜53kg
7月:月末頃から腹痛・下痢増える。日に4〜5回。

8月:中旬頃から腹痛増えてきたため、腹部の灸を棒灸に切り替える。今から考えると今年の猛暑のせいでエアコンによる冷えが蓄積したと思われる。

9月:検査でCRPは再び2.3と上昇。中旬頃から発熱するようになった(37°台)

10月:痔瘻が悪化してきたのかと心配になり、抗生物質を増やし、腹痛で食事がとれないためエレンタールを増やす。

11月:この頃は下痢止めを飲んでも便は日に3回で、水状。また顔に湿疹が出る。このまま薬を飲み続けても良くはならないであろうと思い、尋ねてみると「忙しいのでお灸はさぼっていることが多い」とのこと。また顔の湿疹は腸の状態に関連していることを伝えた。
 抗生物質も1ヶ月近く服用し続けていたため、下旬になり湿疹から出血してきたため、抗生物質を止め、乳酸菌を取るようにする。またお灸も再開した。

12月に入り下痢止めを飲まなくても日に4〜5回で水気が抜けてきており、腹痛も減っているとのことです。

やはり自宅での施灸はかなりの効果があるようです。元々西洋薬の飲めないタイプの患者さんではあるのですが、飲んでしまったために治療が足踏みしてしまったように思われてなりません。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その8
久しぶりの更新です。今回は67診(10年1月)〜84診(10年3月)までを記載します。

今回は寒さと仕事の多忙さのダブルパンチで、このような外因のときは悪くなるという見本のような期間でしたので、参考にして下さい。

前回の検査では再びCRP1.5になり、67診〜71診までは仕事が忙しく腹痛がなかなかとれず、便も水っぽい下痢状で1日3回〜4回、ということが続きました。ただ痔瘻のほうは千金内托散と皮膚刺絡が良いようで落ちつているとのことでした。

72診(1月末)ごろから仕事が忙しく、外食が多くなると、疲れてお灸をしなくなってしまったり、漢方薬を飲めなくなってしまったことがあり、そうなるとてきめんに具合が悪くなるようでした。

そこで寒さと仕事が一区切りつくまで、1回増やして週2回治療をすることにしました。

食事の改善やお灸の再開もあり、便も軟便状になったのですが、寒い日が続くと腹痛も持続的となったため、漢方薬も参苓白朮散合大建中湯に変更となりました。

鍼灸も梁門の灸頭鍼や中枢・京門の灸を追加し、78診には治療をした翌日は便も1日1回(2日後には4回の軟便に戻るが)のことがあり、ひとまず沈静化したとのことでした。

本人もさすがにこのときにはペンタサを再開したそうです。このためか残業があって漢方薬が飲めなかった日のあとは、便が水っぽい下痢状となるのですが、腹痛は以前程でなくなり、83診には便も1日2回の軟便状になったところで、病院の検査となりました。

そして今回の検査でCRPは再び0.8になり、また次回も3ヶ月後の検査となりました。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その7
今回は57診(09年10月)〜66診(10年1月)までを記載します。

56診の時に腹痛が出てきて、本人は落ち込んでいたため食事をもう一度詳しく聞いてみようと思い尋ねると、お粥やうどんが主体と言うことでしたが、忙しくなるとお粥もレトルトのものを食べていたとのこと。

これはいかんということで、相談すると「米は実家から送ってもらい、炊飯器を買ってなんとかやってみます」とのこと。どんなに具合が悪くとも重湯で腹痛がくるようでは、根本から考え直さなければならないため、まずは米から炊いたお粥にトライしてもらいました。

この効果か58診〜66診までは、急に寒くなった日や、調子が良くて消化の悪いものを食べた日以外は、便は軟便状で1日2回、小水の量も増えてきて、体重も53.5kgを回復しました。

63診頃漢方薬は、真武湯合参苓白朮散と、痔瘻対策の千金内托散でした。

また鍼は56診から合谷、曲泉を加え、水分の灸も加えました。

66診の前の検査では再びCRPは1.5に戻りました。そのため担当医が若い医師に変わり、次回の検査も3ヶ月後になってしまったため、腸管内の目視の検査はまた先延ばしとなりました。

患者さんはまだいろいろな原因で症状が安定しないため不安なようですが、初診時に比べると、背中・お腹が柔らかくなり、舌もかなり改善はしているので、もう一歩というところでしょうか。

ということでこの治験もしばらく変化があるまで、お休みです。

漢方・鍼灸による治療が目指しているところが少しでもわかって頂き、同じような症状の方々の参考になれば、公開してきた意味もあると言うものです。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その6
今回は43診(09年7月)〜56診(10月)までを記載します。

43診頃から46診は結婚式があったり、資格試験があったりで条件は悪く、水下痢が起っているようでした。

また、44診頃からアトピーが右肘等に出始めたのですが、本人は他の患者さんのサイトで、アトピーが出てからクローン病が良くなったという記述があったことから、自分も良い方向に向かっているのではと本人は言っていました。

この頃漢方薬は数値が良くなってきたため、真武湯合胃苓湯になったのですが、合わなかったため、また真武湯合人参湯に戻りました。

47診にはアトピーも治まり、水下痢が時々出るという状態になりました。

48診から漢方薬が真武湯合参苓白朮散となり、痔瘻対策として腰兪上部に皮膚刺絡を加えました。

刺絡の効果か49診〜50診は便は1〜2回で軟便となり、かなり良くなったのですが、また暴飲暴食してしまい、52診の前の検査では再びCRPは2.7となったのですが、体感的には悪くないとのことでした。

53診(9月下旬)ではまたインフルエンザに罹り、55診まではインフルエンザの治療を主に行い熱症状はなくなったのですが、56診の時に微熱と腹痛が出てきたので、本人は落ち込んでいました。

そこで食養の徹底と治療を少し修正することにしました。

この続きはまた次回に。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その5
今回は31診(09年4月)〜42診(7月)までを記載します。

31診〜37診(5月)は、調子は悪くないが、食べると腹痛がするということでした。エレンタールは手間がかかるため忙しいときは、普通に(和食・うどん中心)食べていたそうですが、体力的にもたないのでエレンタールを増やすと、下痢も増えるということでした。

食事の具体的内容は、ご飯はお粥ではなく米で、キノコや繊維の多い野菜を食べてしまうと腹痛・下痢となっていたようです。まだこの時点ではきちんと食養の話しはしていなかったので、今考えると最初から食べ物についてはくどい位言うべきだったと反省しています。

またこの時出ていた漢方薬の真武湯合人参湯は合っている感じがするということでした。

38診では腹痛もなく体重も53kgに戻り、このころから背中〜腰の板の様な固さがとれてきて、普通の筋肉を触っている様な感触が出てきました。

39診〜41診では仕事が忙しく夜勤が在ったりして、痔瘻の具合があまり良くないため、千金内托散の回数を増やしていたせいか時々腹痛があったりもしていますが、体重も53.5kgとなりました。

42診前には検査があり、CRPは0.8となり、エレンタールは処方されなくなったのですが、仕事も忙しく、数値が良くなったので食事を多くしたら、また少し下痢気味となり、体重も51kgとなってしまいました。

この続きはまた次回に。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その4
今回は22診(09年2月)〜30診(4月)までを記載します。

その前に少し長くなりましたので、状況を整理しておきます。
この患者さんは大学病院でクローン病と診断され、主な症状は腹痛・頻回の下痢・痔瘻です。仕事をしながら通院で治療しており、入院はしていません

主治医からは数値(CRP等)が悪くなって来たら、ステロイドか免疫抑制剤の治療をしましょうと言われているが、なんとか薬を減らして完治を目指したいということで、現在はペンタサ・エレンタールによる治療に漢方・鍼灸による治療を併用しています。

22診頃から漢方薬が啓脾湯合千金内托散に変更されています。

22診〜26診は便が1日2〜3回で、時々腹痛があるという感じでした。どうも食事の内容に連動して腹痛と水下痢が起っているようでした。体重は51kg〜52kg。

25診頃から便秘のような日があり、便も出る日と出ない日があり、出る日は大量に泥状の軟便が出ることがあったそうです。

ところが、26診の二日後に突然「下血しました」と電話がありました。

本人は腸管内の出血を心配していたので、ややパニック状態でしたがとにかく状態を詳しく聞いて、食事を抜き様子を見るように話しました。5日後に再度電話があり、「どうも切れ痔だったらしく腸管内の出血ではないようです。」ということで一安心しました。その後は便も軟便が毎日出ていて、腹痛もなく調子良いとのことでした。

27診〜29診は下血する前とほぼ同じような状況で、30診の前には検査があり、CRPは1.5とやや高め、漢方薬も真武湯合人参湯に変更となりました。

この続きはまた次回に。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その3
今回は15診(09年1月)〜21診(2月)までを記載します。

前回は08年の年末までの経過でしたが、なんと12/31から発熱し、これがどうもインフルエンザだったらしく40℃が3日も続き、タミフルを服用してなんとか乗り切ったそうです。

今話題の新型ではなかったようですが、こういう事があると新型でなくともレミケードを飲んでなくてよかったと思います。またこのインフルエンザのおかげか、水下痢状態となり、ガスが多く、腹痛もしていたそうです。

検査でもCRPが3.5となりました。その割には普通の食事をしても、特に下痢がひどくなるという事はなかったそうです。恐らくはインフルエンザによる炎症の増加ということだったのでしょう。主治医の先生の意見も同様でした。

16診では舌苔がかなり良好となって来て、17診〜20診は便が1日3〜4回で、たまに固まる日があると1〜2回となり、疲れに反応して腹痛もまだ時々出るという感じでした。

20診では便が1日1〜2回で、腹痛もなく体重も53kgとなり、やっとインフルエンザの影響を脱したようでした。この頃から痔瘻対策として自宅のお灸に孔最または二白の反応がある方を選び、お灸してもらいました。

21診前には検査があり、CRPは1.3となりましたが、まだ少し高いので、現在のペンタサとエレンタールを主体にした治療を続けましょうということでした。

この続きはまた次回に。
漢方・鍼灸によるクローン病の治療 その2
 前回書き忘れた情報をひとつ。初診時の体重は50kgで身長は174cmですから、かなりやせ形です。体重はMAXでも55kgということでしたから、元々胃腸が丈夫でないことは見当がつきます。

それから処方名や使用したツボがいろいろ出てきますが、漢方・鍼灸では患者さんの体質や病気の勢いで治療方法も変わるため、誰でもこの処方という訳ではありません。

西洋医学の病名処方の概念が染み付いている人達は、この病名にはこの薬・治療という考えからなかなか脱却できませんが、伝統医学ではそのような考えはあまり意味がありません。

今回は7診(11月)〜14診(12月)までを記載します。

7診〜9診は下痢が1日3〜4回で、たまに固まる日もあったようですが、腹痛もまだ時々あるという感じでした。

9診頃から漢方で痔瘻対策として千金内托散が出ています。この千金内托散は飲み始めた翌日に膿が止まって、「煎じた漢方薬はこんなに効くんですか」と言われたのを覚えています。

10診〜12診は下痢が1日3〜4回で変わらずですが、そのうち1〜2回は便に形がついてきて(軟便状)土曜日に治療をして月曜日ぐらいまでは調子が良く、ガスは出るがおなかのゴロゴロが収まってきたりしていました。

本人的には痔瘻が落ちついて来ているのがストレス減になっているようでした。食事も調子の良いときは普通の和食にしていたそうですが、特に下痢の回数が増えることはなかったそうです。この頃はまだ厳密な食事指導はしていなく、「具合が悪いときはおかゆと野菜をゆでたスープにしてください」くらいの話をしていました。

14診までには便が軟便で1日1〜2回になり、体重も52kgになって、「発病してから一番良い状態」とのことでしたので、うまく年を越せるかなと思ったのですが、そう簡単にはいきませんでした。

この続きはまた次回に。
漢方・鍼灸によるクローン病の治験 その1
 今回より、実際の治験での経過を述べて行こうと思います。現在もまだ完治している訳ではありませんが、かなり良いところまで来ているとは思います。患者さん自身も、最近の早期免疫抑制剤使用の風潮には疑問を感じているため、紆余曲折して来た過程を、参考のため公開する事に協力して頂ける事になりました。

この方は、コンピューター関係のエンジニアで、小学生の頃はアレルギー性皮膚炎・喘息があり、中学で一旦おさまったそうです。

元々胃腸は弱かったのが、就職してから下痢をするようになり、2007年に仕事が忙しくなると腹痛もするようになり、出勤の途中で何度か休まないと出勤できなくなったりしたそうです。この頃は他社に出向していて、宴会等も多く、食生活はかなり乱れていたそうです。

2008年8月頃に下痢頻繁のため痔瘻になり、肛門科でクローン病ではないかと言われ9月に大学病院で検査したところ、クローン病と確定しました。下痢は1日5〜6回で多い日は1日10回程。

痔瘻の悪化が嫌で2週間前から食事をせず、エレンタールで栄養を取っている状態でした。主治医からは「今度血液検査でCRPが上昇したらステロイド剤かレミケードを使用しましょう」と言われていて、この時のCRP値は2.1(正常値は1㎎/dℓ以下)でした。

10/7より週1回のペースで治療開始。

腹は心下痞鞕、腹皮拘急ひどく、診察すると腹壁がすぐ緊張し、梁門や大巨のあたりは少し押すと痛みがあり、脈は左関上が虚。背中も膈兪より下は板のようでした。

鍼は中脘、足三里、漏谷、腎兪にし、大腸兪、承山に灸頭鍼、関元、太衝、脊中、脾兪に灸をしました。また下痢がひどい場合に自宅で水分、気海、肓兪 他は関元、太谿にせんねん灸で灸をしてもらうようにしました。

4回程の治療で便が泥状となってきて、10/27の検査ではCRP値は0.3となったため、ちょっと油断してしまったようです。まあそんなに簡単に腸内が安定すれば苦労しないのですが、その後病気のため忙しくない部署にしてもらっていたのが、元の部署に戻り、数値も改善したので固形物を食べたら悪化したそうです。(CRP値は2.2)

この時の下痢は1日4〜5回でしたが、腹痛が再発し、ガスも多く、気持ちも滅入っていました。

そこで仕事をしながらの治療は環境にかなり左右されるため、師匠筋にあたる漢方専門医を紹介し、漢方薬を煎じで飲んでもらうことになりました。最初の処方は胃風湯でした。

この続きはまた次回に。